表紙がなんとなく哀しげで、怖くて…気になり手に取りました。
そして、帯のあらすじを読んで興味をそそられ…
1日1話読んで感想を書くだけで、計143万円の報酬をくれるという仕事。
その真意は何か?
ホラーミステリーをイメージしながら読み進めていくと、そうではない!
最愛の恋人を傷ついた心から立ち直らせるための、ラブレターでした。
『貴方のために綴る18の物語』のあらすじ
「あなたにぜひともお引き受けいただきたい仕事があるのです」
駅のホームで見知らぬ老紳士から声を掛けられた美織は、「ミスター・コント」という謎の人物が記した短編を18本読み、簡単な感想を書くという仕事をもちかけられる。
報酬は1字10円、総額143万円。新手の詐欺かと訝しみつつも押し切られる形で前金を受け取った美織は、1日1話届けられる物語に次第に追い詰められていく…。
世にも奇妙な仕事に隠された、驚くべき真相とは?
『貴方のために綴る18の物語』を読んで
17の物語と締めくくりとなる最終章的な18番目の手紙形式の物語。
それぞれの物語は、連作ではなく、様々な種類の物語。毎話ごとに主人公の感想が短く綴られていて、私もその通りの感想を想いながら読み進めました。
2週目にあたる物語は辛く、読んでいて重くなる部分が多い。
この仕事をさせる意図はなんだろうと?
3週目は、幸せな物語が多く、主人公の感想にはある1文が毎回綴られるようになる。
最後に仕事を任せた老紳士の正体と、その目的が知らされる。
143万円という、半端な金額にも意味があり大切なメッセージでした。
18話の続きは、一歩踏み出した彼女が紡ぐのでしょうか…
この世界にはたくさんの愛の形があり、たったひとつの愛なんてないのですね。
はは
面白い仕掛けの小説でした。
老紳士は、鶴見辰吾さんと思って読んでいました。
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