恋愛・ヒューマンドラマ

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小説・文学

『夜のピクニック』(恩田陸・著)レビュー|静かな一日が変えていく、痛みと和解の青春物語

恩田陸『夜のピクニック』は、全校生徒で80kmを歩く「歩行祭」を舞台に、異母兄妹の二人が静かな一日を通してわだかまりを溶かしていく青春小説。大きな事件はないのに心が揺れる、痛みと再生がにじむ名作の魅力をレビュー。
小説・文学

『人間タワー』(朝比奈あすか・著)レビュー|揺れる「伝統」と心の塔が崩れ落ちる瞬間

運動会の組体操「人間タワー」をめぐり、子ども・教師・親・地域の視点から描かれる群像劇。崩れゆく塔に映るのは、誰の心にもある葛藤と希望。朝比奈あすかが描く現代の“教室の現実”。
小説・文学

『月の立つ林で』(青山美智子・著)レビュー| “人と人の光” が交わる瞬間

青山美智子『月の立つ林で』は、ポッドキャスト「ツキのない話」を軸に描かれる連作短編集。人とのつながりと小さな優しさを月明かりのように照らす、温かくて深い物語です。
小説・文学

『鍵のない夢を見る』(辻村深月・著)レビュー|“普通の女の子”が一線を越える瞬間のこわさ

『鍵のない夢を見る』は、地方に暮らすごく普通の女性たちが、少しずつ歯車を狂わせて犯罪へと踏み出してしまう短編集です。読んでいて胸がザワザワするのに、ページをめくる手は止まらない、人間の「ずれ」と欲望をえぐる直木賞受賞作でした。
メディア化・小説

『博士の愛した数式』(小川洋子・著)レビュー|80分だけ続く記憶と、静かに積もる「=愛」の物語

記憶が80分しかもたない数学者と、家政婦の「私」、10歳の息子ルート。数式と阪神タイガースをめぐるささやかな日常の中で、ゆっくりと育っていく絆を描く『博士の愛した数式』。
小説・文学

『猫のお告げは樹の下で』(青山美智子・著)レビュー|猫が導く“気づき”と“優しさ”の連鎖

『猫のお告げは樹の下で』は、神社に現れる猫・ミクジが人々に小さな気づきを与える七つの物語。悩みの中に差し込む光のような連作短編集で、優しさと希望を静かに思い出させてくれます。
本屋大賞受賞作

『告白』(湊かなえ・著)レビュー|救いのない復讐劇に映る「歪んだ正義」と母性

教師であり母親でもある森口悠子の「告白」から始まる、少年犯罪と復讐をめぐる連鎖。語り手が章ごとに交代し、事件の真相と人間の歪んだ感情が浮かび上がる。救いのないラストまで目を離せない、湊かなえの衝撃的デビュー作をレビュー。
小説・文学

『みなさんの爆弾』(朝比奈あすか・著)レビュー|境界の外側で火花を散らす、6つの“偏愛”と回復の物語

女子校の憧れからサイコな親子、作家の仕事と育児、教室の理不尽まで。質感の異なる6編が“見えない爆弾”を照らし、私たちの日常に潜む痛みと希望を可視化する短編集です。
小説・文学

『月曜日の抹茶カフェ』(青山美智子・著)レビュー|“縁は種”が芽吹く、十二か月のやさしい連鎖

『月曜日の抹茶カフェ』は、京都と東京をつなぐ十二編の連作短編集。抹茶と和菓子、ささやかな言葉が人を結び、やがて物語は一周して温かな光に戻ります。心が落ち着く一冊。
本屋大賞受賞作

『カフカ』(阿部暁子・著)レビュー|なぜ「誰かと食べるご飯」は傷だらけの心をつなぎ直すのか?

弟の急死と離婚で生きる気力を失った薫子が、弟の元恋人・せつなと家事代行サービス「カフネ」で他人の暮らしに寄り添う中で再生していく物語。料理と食卓を通じて、「誰かと生きる」ことの痛みと温かさを思い出させてくれる一冊でした。
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