小説・文学 『小説』(野崎まど・著)レビュー|読むだけじゃ駄目なのか? 『小説』は、読むことに人生を捧げた一人の青年の30年を描きながら、「なぜ私たちは小説を読むのか」という根源的な問いを突きつける。読むだけでいいのかと悩んだ経験のある人ほど、強く心を揺さぶられる一冊。 2025.12.19 小説・文学
小説・文学 『赤と青とエスキース』(青山美智子・著)レビュー|一枚の絵がつなぐ三十年、めぐり逢いの色彩 メルボルンで生まれた一枚の「エスキース」が人から人へ渡り、日本へ渡って物語は円を描く。赤と青のコントラストに、別れと再会、そして生の手触りが滲む。静かな感動が長く残る長編です。 2025.11.10 小説・文学恋愛・ヒューマンドラマ
SF・ファンタジー 『新世界より(下)』(貴志祐介・著)レビュー|“人間とは何か”を突きつける衝撃の完結編 『新世界より(下)』では、バケネズミとの戦争と悪鬼の出現を通して、人間と“それ以外”を分けてきた境界線が音を立てて崩れていきます。スクィーラの「私たちは人間だ」という叫びが、読者にも価値観の揺さぶりを迫る、息をのむ完結編でした。 2025.11.16 SF・ファンタジーメディア化・小説小説・文学
SF・ファンタジー 『さくらのまち』(三秋縋・著)レビュー|人を信じることは救いになるのか? 自殺防止システムが導入された町で、「本物の好意」と「仕組まれた善意」の区別がつかなくなる若者たち。信じたいのに信じられない痛みを描く三秋縋『さくらのまち』の読後感と問いを整理します。 2026.01.04 SF・ファンタジー小説・文学
本屋大賞受賞作 『海賊とよばれた男(上)』(百田尚樹・著)レビュー|なぜ、この男の生き様は時代を超えて胸を打つのか? 敗戦直後の混乱の中、すべてを失いながらも日本と仲間のために立ち上がった国岡鐵造。信念と情熱で石油事業を切り拓いた姿は、現代に生きる私たちにも深い問いを投げかけます。圧倒的スケールの歴史経済小説(上巻)レビュー。 2025.11.24 メディア化・小説小説・文学本屋大賞受賞作歴史・伝記
本屋大賞受賞作 『海賊とよばれた男(下)』(百田尚樹・著)レビュー|日章丸事件は、なぜ日本の歴史を変えたのか? 戦後の混乱期、日本の未来を信じて突き進んだ国岡鐵造。その信念はなぜ仲間を動かし、世界を揺るがしたのか。下巻の核心である日章丸事件を通し、志と誇りが歴史を動かす瞬間を描く一冊のレビューです。 2025.11.25 メディア化・小説小説・文学本屋大賞受賞作歴史・伝記
小説・文学 『人間タワー』(朝比奈あすか・著)レビュー|揺れる「伝統」と心の塔が崩れ落ちる瞬間 運動会の組体操「人間タワー」をめぐり、子ども・教師・親・地域の視点から描かれる群像劇。崩れゆく塔に映るのは、誰の心にもある葛藤と希望。朝比奈あすかが描く現代の“教室の現実”。 2025.11.12 小説・文学恋愛・ヒューマンドラマ
小説・文学 『リカバリー・カバヒコ』(青山美智子・著)レビュー|一歩を支える“やさしい伝説”が背中を押す 公園のカバを撫でると不調が回復する——“リカバリー・カバヒコ”の都市伝説に導かれ、五人の悩みがほどけていく連作短編集。痛みの正体を見つめ直し、明日へ踏み出す勇気をやさしく灯す一冊です。 2025.11.11 小説・文学恋愛・ヒューマンドラマ
小説・文学 『spring』(恩田陸・著)レビュー|天才は何を祈り、何を捧げるのか? 天才舞踊家・萬春を中心に、踊る者、作る者、見る者の視点が交錯する長編小説『spring』。才能とは何か、芸術に身を捧げるとはどういうことかを、静かな熱量で描いた恩田陸の到達点を読み解きます。 2026.01.08 小説・文学恋愛・ヒューマンドラマ
小説・文学 『彼女のしあわせ』(朝比奈あすか・著)レビュー|「ないもの」より「ここにある幸せ」を見直す物語 三姉妹と母の視点が交差し、結婚・出産・仕事・介護に揺れる心を繊細に描く連作短編。完璧ではない毎日の中で「ここにあるしあわせ」を掬い直す一冊。等身大の痛みと回復が静かに沁みます。 2025.11.12 小説・文学恋愛・ヒューマンドラマ