奈良県大和郡山市にある郡山城跡(郡山城址公園)は、戦国武将・筒井順慶が築いた歴史ある城跡で、桜の名所としても知られています。
現在は無料開放された公園として整備され、天守台の展望台や復元された櫓、柳沢文庫など見どころも豊富。
本記事では、郡山城の歴史や歴代城主、アクセス方法、場内マップのダウンロード情報まで、訪れる前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
郡山城跡(郡山城址公園)とは?

大和郡山市にある郡山城跡は、戦国時代に築城された城郭跡で、現在は「郡山城址公園」として整備されています。
天正8年(1580年)に筒井順慶が築城し、豊臣秀長が改修を実施。
江戸時代には譜代大名・柳沢氏が城主を務め、2022年には国指定史跡となりました。
入場料と利用時間
- 入園料:無料(公園全体および天守台展望施設も無料)
- 開園時間:公園全体は24時間開放。施設は以下時間帯で開放:
- 4月~9月:7:00~19:00
- 10月~3月:7:00~17:00
大和郡山城は誰の城?
最初の城主は筒井順慶。

豊臣政権下では秀長が入城。

以後江戸期には水野氏・松平氏・本多氏を経て、享保9年からは柳沢氏が明治まで治めました。
現在は歴史ロマンを感じる史跡として親しまれています。
大和郡山城の歴代城主の流れ
時代 | 城主 |
---|---|
安土桃山時代 | 筒井順慶 → 豊臣秀長 → 増田長盛 |
江戸時代(初期) | 本多氏 → 水野氏 → 松平氏 |
江戸時代(中期以降) | 柳沢吉里(享保9年〜) → 柳沢家が幕末まで統治 |
郡山城跡(郡山城址公園)の見どころスポット
天守台展望施設


2017年(平成29年)に石垣の積み直しとともに展望施設が整備され、一般公開がスタートしました。
展望台からは360度の大パノラマが広がり、大和郡山市の町並みや奈良の名所が一望できます。
北東には若草山、薬師寺、そして西南には葛城山系などが見渡せ、絶好の景観スポットです。
追手門・櫓(東隅・向櫓など)

追手門は豊臣秀長の入城時に築かれたとされる門で、かつては「一庵丸門」とも呼ばれていました。
名称は、秀長の家老・横浜一庵(桑山一庵)に由来します。
関ヶ原の戦い後に伏見城へ移されましたが、1618年に松平忠明が再び郡山へ移築しました。
1724年、柳澤吉里の入部以降は「梅林門」とも呼ばれるようになります。
明治6年(1873年)に一度取り壊されましたが、築城400年記念として1980年に復元されました。
柳沢文庫

1960年(昭和35年)、郡山藩主・柳澤家第9代当主の柳澤保承を中心に設立された郡山城史跡・柳沢文庫保存会により、翌1961年に地方史専門の図書館「柳沢文庫」が開設されました。
2013年には奈良県から認定を受け、現在は公益財団法人として運営されています。
柳沢文庫では、年3回の企画展を開催し、文庫が所蔵する郡山藩や地域に関する貴重な史料・文化財を一般に公開しています。
旧藩主資料を展示(入館料:300円)
城址会館

明治期の旧図書館建築(国登録有形文化財)
明治41年に奈良公園内に建てられた、奈良県最初の県立図書館。
昭和43年に郡山城内へ移築され、現在は「城址会館」として保存されています。
奈良県指定有形文化財で、木造2階建・入母屋造、左右対称の近代和風建築。
外観は日本伝統建築、内装は洋風仕様で、県内でも貴重な建築様式です。
現在は平日に学習指導教室として利用、土日祝は1階ホールの見学が可能。
外観は常時見学自由となっています。
極楽橋

極楽橋は2021年3月に再建され、明治初期の撤去以来、本丸への正式ルートがなかった状態がようやく解消されました。
再建費用の約3億円は柳沢家家臣の子孫からの寄贈によるもの。
ヒノキ材が使用された床板と手すりは、木の香りが心地よく、風情ある仕上がりとなっています。
さかさ地蔵

郡山城の天守台付近の石垣には、城の築城時に集められたさまざまな石仏や礎石が使用されています。
その中に、逆さに積み込まれた地蔵菩薩像があり、これが「さかさ地蔵」と呼ばれています。
この地蔵は、
- 左手に宝珠、右手に錫杖を持つ立像
- 高さ約90cm
- 「大永3年(1523年)」の銘が刻まれている古い石仏です
逆さに積まれた理由は明確ではありませんが、築城資材として他の寺院の石材などとともに集められたものと考えられています。
また、さかさ地蔵の周囲には、かつて道路脇や寺の敷地にあった野仏や掘り出された石仏が誰ともなく集められ、静かに祀られています。
四季とイベントの魅力

- 桜名所100選に選ばれ、花見シーズンには約800本の桜が彩ります
- 毎年春には「大和郡山お城まつり」で夜桜ライトアップや時代行列が開催
- 無料ガイド案内「石垣の語り部」は土日祝10:00~16:00に実施
郡山城跡(郡山城址公園)へのアクセス
- 近鉄橿原線「近鉄郡山駅」:徒歩約7分
- JR関西本線「郡山駅」:徒歩約15分
場内マップとダウンロードについて
- 郡山城址案内絵図がPDFでダウンロード可能(6 MB程度)
- 市公式「やまとこおりやま観光MAP」内でも案内され、城下町散策ルートなど各種マップが種類豊富
- 市政サイトから「バリアフリーマップ」「城下町ガイドマップ」なども取得可
問い合わせ・施設管理
- 大和郡山市 都市計画課 公園緑地係
〒639‑1198 奈良県大和郡山市北郡山町248‑4
TEL:0743‑53‑1151(代表)FAX:0743‑53‑1049
まとめ

郡山城址公園は歴史と自然を感じながら暮らしに組み込める、魅力あふれるスポット。
入園無料・アクセス良好、豊かな景観とわかりやすい案内、四季折々のイベントなど、家族連れ・歴史愛好者・散歩好きにぴったりです。
マップをダウンロードして、一歩進んだ史跡散策を楽しみましょう!
参考リンク集
- 大和郡山市公式サイト|郡山城跡案内ページ
公園全体の概要、施設説明、利用時間、管理課の情報など。 - 大和郡山市観光サイト|郡山城の歴史と文化財指定
郡山城の築城から国史跡指定まで、詳細な歴史背景と城郭構成が確認できます。 - 柳沢文庫公式サイト
郡山藩主・柳沢家の貴重な資料を公開している郷土資料館。入館案内・展示内容あり。 - なら旅ネット|郡山城跡紹介ページ(奈良県観光公式)
観光地としての郡山城跡、花の名所やアクセス方法も網羅。
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